副業で個人事業主として開業したきっかけ
こんにちは、オフィスペンぎんです。
作業環境や通信環境が整ったことにより、副業のハードルは以前よりもだいぶ下がり、今や仕事を掛け持ちする人も珍しくありません
私も日中は翻訳会社に勤め、オフの時間で副業として「オフィスペンぎん」の屋号のもと、翻訳やライティングの仕事を請け負っていました。
しかし、実際には、私のようなケースでは個人事業主として開業する必要はありませんでした。売上は、事業所得ではなく、雑所得として確定申告すれば税務面でも問題ありませんでした。むしろ、開業に伴い生じるリスクを懸念していました。
「会社勤めしている身で、開業して問題ないのか」
「副業が会社にバレるのではないか」
「会計や確定申告が面倒くさそう」
考えれば考えるほど、開業に尻込みしてしまいます。
しかし、時の流れとともに考慮すべきことが増えるようになり、ついには会社に勤めながらも開業届を出して個人事業主になろうと決意しました。
ここでは、副業で開業した理由やきっかけを振り返りたいと思います。多様な生き方が認められるようになった今、私のような境遇にある方は少なくないと思い、ちょっとした後押しになればと思い書きました。
青色申告で節税したい
正社員として会社に勤めていたものの、給料はわずかでした。わずかな給料から税金や社会保険料を引かれると、バイトと大して変わらないと思っていました。副業をはじめたきっかけは、やはり収入を増やしたいためでした。
私は外国語を専門にしてきたので、クラウドソーシングを通じて、翻訳やライティング、データ編集などを請け負っていました。
はじめはお小遣い稼ぎの感覚でしたが、次第に売上が伸びると、お小遣いから生活を支える収入と考えるようになってきました。
副業での売上が20万円超えると、つまり雑所得での非課税ラインを超えると、確定申告を考慮するようになります。
非課税ライン未満のときには気にもとめなかった税金ですが、何も対策を講じずに雑所得のまま確定申告していると、税金でガッツリ持っていかれてしまいます。
そこで、開業して事業所得として扱い、青色申告することで65万円の特別控除を活用したいと思いました。65万円の特別控除は、青色申告の最大のメリットですね。
青色申告をするためには、簿記の知識が必要になります。私は、クラウドの青色申告ソフトを使って試みましたが、やはりはじめはわからないことだらけでした。青色申告するために簿記を勉強し、事務作業は増えることになりましたが、それでも特別控除の恩恵は大きかったです。
子どもが生まれた = 出費が増えた
喜ばしいことに、私たち夫婦も子どもを授かりました。
子どもが生まれると、当たり前のように出費が増えます。多少は覚悟していたものの、出費の勢いをいざ目の当たりにすると危機感を持ちました。
私の場合、金銭的な負担が最も大きくなったのは家賃でした。子どもが産まれると、それまで住んでいた家では手狭になり、早々にもっと広い家に引っ越すことになりました。場所は東京23区、広さを絶対条件とするとかなり高額になります。また、家賃は固定費なので、節約しようと思ってもできないのが辛いところです。
お金がもっと必要になったからといって、会社勤めでは頑張ればすぐに給料が増えるわけではありません。頑張った分が給料に反映されるのはずっと先になるし、そもそも頑張った分が確実に給料に反映される保証はありません。
副業はこの点で違います。多少の工夫は必要ですが、基本的に頑張れば頑張った分だけリターンがあります。
そこで、これまで軽い気持ちでやっていた副業に本気で取り組もうと思うようになりました。開業は、本気で取り組もうとした自分自身に対する意思表明の役割もありました。
個人事業主になり、屋号のもと仕事を請け負うようになると、お小遣いから「事業収入」にレベルアップした実感があります。事実、開業後に売上は大きく伸びました。
本業の仕事も気に入っている
もしお金が足りなければ、もし収入を増やしたければ、転職するのが手っ取り早いです。私は、正社員であったものの、給料は少なく、妻からも転職をすすめられる始末でした。
しかし、私は自らの特技や強みを生かせる本業も気に入っていましたし、職場環境にも特に不満はありませんでした。そのため、転職という選択は避けたかったのです。もっというと、転職してまた一から新しい会社に馴染むというのも面倒に思いました。
そのため、給料の高い会社に転職するのではなく、空いた時間を活用して、副業の売上を大きくすることで収入を補おうと思いました。
ちなみに、当時は個人事業主として完全に独立することは考えていませんでした。本業を持つことで安定した一定の収入が確保できる他、社会保険は正社員でいる方がメリットが大きかったからです。
フリーランスで独立という生き方に憧れていた
私は会社に勤めていたとき、フリーランスの翻訳者によく仕事を依頼していました。
独立したフリーランスという生き方が厳しく感じる一方で、全て自分の責任で、自分の思うように生きる姿に、「生きる意味」のようなものを感じていました。
私にとって、フリーランスの翻訳者として独立する利点は、地理的に縛られない生き方ができることです。翻訳は、作業ツールと通信環境が整っていれば、作業自体はどこでもできます。いつか喧騒を離れたいと思っている私にとって、開業届の提出はその憧れへの第一歩でした。地に足をつけつつ、夢に一歩近づく、という感じでした。
なお、フリーランスとして独立する場合、当然収入が安定しないデメリットがあるので、私はそれを補うために収入源を複数確保するように動いています。
開業して間違いはなかった
私は、どちらかというと慎重派です。会社勤めする身で個人事業主になってしまって、制度的に、税務的に、立場的に大丈夫なのか、長らく悩んでいました。しかし、一念発起して開業してみたところ、特に何も問題は起きませんでした。完全に取り越し苦労でした。
開業することで、青色申告をはじめとする事務仕事は増えました。しかし、どれも「建設的な悩み」であって、ひとつひとつやり遂げていくことに充実感を覚えます。また、予期していた通り、開業届を出すとことで、俄然働く意欲が湧いてきました。
悩むことで、自分の考えや目標についても整理できましたし、ひきずることなく開業できました。しかし、悩むことに時間をかけすぎた感じもしました。やらずに後悔するなら、やって後悔したい。この件から、そう自分に言い聞かせるようになり、どこか自分の意思を反映させた生き方が前よりもできるようになった気がします。
もし同じようなことで悩んでいるようでしたら、ぜひ前向きに考えてみてはどうでしょうか。