わかりやすいチクングニア熱
チクングニア熱は蚊による感染症
チクングニア熱(Chikungunya Fever)という病気をご存知でしょうか。あまり聞きなれないかと思いますが、蚊が媒介する感染症の1つです。
蚊による感染症といったら、マラリアやデング熱、ジカ熱などが有名かもしれませんが、最近ではチクングニア熱の発症例が広い地域で報告されています。従来は、アフリカ、南アジア、東南アジアに見られた感染症でしたが、今ではヨーロッパやアメリカ大陸にも広がっています。
チクングニア熱の元凶ともなる病原体の名前はそのまま「チクングニアウイルス」です。チクングニアウイルスを持ったヤブ蚊に刺されることで感染しますが、ヒトからヒトへの感染はしないと言われています。
通常の潜伏期間は2~4日程度、長いときには~12日になるケースもあります。発熱や関節痛は必ず起きる症状で、さらに大きな割合で発疹が出ます。また、鼻や歯肉から出血することもあります。基本的に非致死性の感染症と考えられていますが、死に至ることもなくはないようです(2005年3月~2006年2月までに15万人以上の患者が発生、その内237人死亡との記録があります)。また、ウイルスに対する治療薬はなく、輸液(点滴)や鎮痛解熱剤の投与などの対症療法が取られることになります。
「チクングニア」とは、アフリカの現地の言葉で「かがんで歩く」ことを意味するそうで、間接の痛みという症状を表した名前ですね。
予防法は蚊に刺されないこと
チクングニア熱は、蚊が媒介する感染症です。そのため、チクングニアウイルスを持つ蚊から刺されないようにするのが対処法になります。
流行地に行く場合には、蚊に刺されないよう長袖や長ズボンを着用する、虫よけスプレーを利用するなどを徹底するだけでも、効果的です。
また、蚊が好みそうな草むらや水たまりなどには必要以上に近づかず、そういった環境を自ら作ることのないように心掛けるとよいでしょう。
そして、チクングニア熱に限らず、外務省等が発表している危険情報を必ず確認するようにしましょう。
まとめ
- チクングニア熱は、蚊が媒介することで発症する感染症
- 発熱と関節痛、発疹が顕著な症状
- 基本的には死に至るものではない(ただし、死亡例は報告されています)
- チクングニアウイルスに対する治療薬はなく対症療法
- チクングニア熱は、ヒトからヒトへは感染しない