3つのde(的・得・地)の使い分け
中国語には「3つのde」、すなわち「的・得・地」というものがあります。
的・得・地は、いずれも文法的な要素(機能語、中国語では「虚词」)で、中国語を理解するうえで使い分ける必要があります。
ここでは、それぞれのdeについて、わかりやすく解説したいと思います。
中国語「的」の使い方
中国語「的」は、おそらく説明不要だと思いますが、名詞の後ろにおいて「~の・・」を表します。
その他「是・・・的」にように語気助詞としても使います。
3つのdeを使い分けるにあたって「的」は問題にならないと思いますので、「得」と「地」の使い方を詳しく見ていきましょう。
中国語「得」の使い方
中国語「得」は、評価の"得"と考えるとわかりやすいです。
動詞/形容詞の後ろについて、その動作/状態の程度を評価します。
基本形:動詞/形容詞 + 得 + 程度
「得」の使用例:
- 热得受不了:暑くてたまらない(暑い程度を評価)
- 漂亮得难以置信:信じられないぐらい美しい(美しい程度を評価)
- 好吃得停不下来:箸が止まらないぐらい美味しい(美味しい程度を評価)
- 累得要命:死ぬほど疲れた(疲れた程度を評価)
- 跑得快:走るのが速い(走る速さを評価)
- 起得早:起きるのが早い(起きる時間を評価)
- 开得太快了:車の運転が速すぎる(運転する車の速さを評価)
程度を表す副詞として「很」「非常」「比较」などがありますが、これらの単純な副詞はそのまま形容詞の前につければOKです。
しかし、信じられないぐらい~、死ぬほど~、などの表現に富む方法で形容詞の程度を表す場合、あるいは動詞の程度を表す場合には、「得」を使うことになります。
注意点として、動詞と目的語がセットで構成されている語の場合には、そのまま後ろに「得」を置くことはできず、次のように処理します。
- 跑步得快(×)⇒ 跑步跑得快(〇)
- 起床得早(×)⇒ 起床起得早(〇)
- 开车得太快了(×)⇒ 开车开得太快了(〇)
「开车开得太快了」は、「车开得太快了」でもOKです。動詞の重複の解消がOKかNGかは、ひとまずケースバイケースとお考えください。
なお、中国語「得」にはdeの他に、deiの発音がありますが、deiの場合は基本的に「~しなければならない」という意味を表す助動詞になります。中国語の契約書ではよく「~することができる」としても使われます。
中国語助動詞の「得」(dei)
我得快点回家:私は早く帰らなきゃいけない
中国語「地」の使い方
中国語「地」の機能は、動作の描写です。描写の"地"で覚えましょう。
動詞の前に置いて、その動作がどのような様子で行われるかを副詞的に描写します。
基本形:様子 + 地 + 動詞
「地」の使用例:
- 偷偷地拍照:こっそりと写真を撮る
- 默默地努力:黙々と努力する
- 慢慢地说话:ゆっくりと話す
中国語「地」は、実は中国人であっても「的」と書いてしまうケースがとても多いです。
もし、慢慢的说话のような表現を見かけても、慢慢地说话と理解するようにしましょう。
「得」と「地」の比較
最後に、「評価の得」と「描写の地」を比較してみましょう。
比較することで、その使い方やニュアンスの違いがよくわかると思います。
- 走得慢:歩くのが遅い(評価)
慢慢地走:ゆっくりと歩く(描写) - 理解得正确:理解が正確だ(評価)
正确地理解:正確に理解する(描写)