汉语/中文/普通话 中国語で中国語をどういうか
中国語を中国語で表現するとき、汉语、中文、普通话などの言い方があります。ここではそれぞれの違いについて、わかりやすく解説します。
現代口語では汉语
現代の中国教育体系では、中国語は汉语(hanyu)と習います。
汉语の字面的な意味は、中国の大多数を占める漢民族(汉族)が話す言葉ということですが、実際には公用語として定着していて、民族の違いを意識することはあまりありません。中国は多民族国家だから多様性に配慮すべき・・、なんてことはないので、遠慮なく汉语を使いましょう。
最も権威ある中国語資格試験の名称も"汉语水平考试"(HSK)です。
中国語を習いはじめのうちは、とりあえず中国語は汉语だと考えておけば問題ありません。
ローカル/書き言葉では中文
中国語の中国語は、教育上は汉语と習いますが、実際に生の中国語を聞いてみる中文(zhongwen)をよく耳にすると思います。
中文は汉语と同じ意味ですが、原義的に解釈すると書き言葉です。フォーマルな文書では、汉语よりも中文の方が適しています。
とはいっても、実際には中文は口語としても多用されています。個人的な印象としては、一昔前までの人からすれば、むしろ中文の方が汉语よりも馴染みがあるように感じます。教科書的には汉语と言わせたいけど、ローカルではまだまだ中文が根強いという感じです。
普通话は標準語
汉语や中文の他にも、普通话と聞くことがありますが、こちらは中国語というよりも、具体的には標準語を指します。中国にはとても多くの方言がありますが、それらの方言に対して、全土で標準的に使用されるべき言葉が普通话です。
なお、中国は広いので、地域によって言葉が全然違うといわれますが、それは:
- 地域によって普通话の発音や声調が異なる(⇒訛りがある)
- 地域によって独自の言語として方言が成り立っている
のパターンに分けられます。
例えば、同じ普通话であっても、北京らへんでは儿化(語尾が巻き舌音になる)する、南方では反り舌音が反らない(shi ⇒ si になる)などの訛りがあります。こちらは慣れてくると学習者によってもなんとか聞き取れます。
しかし、中国各地の方言は、普通话と全然違い、それを専門に勉強しなければなかなか聞き取れるものではありません。例えば、国際都市の上海であっても、普通话と方言である上海话が共存しています。
中国語は北京語と同じ?
日本では、中国語=北京語(北京话)という認識があります。北京語は、方言であって、厳密には標準語(普通话)とは異なります。
ですが、標準語はそもそも北京語をベースに制定されているので、実際には中国語≒北京語となります。