中国語「以次充好」の意味と訳し方
中国語の公正取引に関する契約書では、よく不正行為の一例として「以次充好」が登場します。
以次充好とは、平たく言うと、不良品・粗悪品を良品と偽る行為を指します。
以次充好の基本的な意味と訳し方
売買取引において、製品の供給者(サプライヤ)は、購入者に対して、一定の基準を満たす製品を供給する義務を負います。
基準には品質基準や環境基準があり、また基準のレベルも法令で定める基準、業界基準、供給者と購入者の間で取り決める基準と様々です。
しかし、実際には、これらの基準を満たしていないのに、満たしていると偽って引き渡す業者もいます。
このような不正行為を、中国語で以次充好と表現します。
売買取引における以次充好は、「不適合品を適合品と偽って販売する行為」と訳すのが妥当です。もし、品質だけにフォーカスするなら「不良品を良品と偽って販売する行為」とも訳せます。
以次充好は、サプライチェーンを通じて、最終製品の品質に影響を与えます。
もちろん不正行為なので、公正取引契約書や取引基本契約書などで禁止され、もし以次充好を働いたら、何かしらのペナルティ(罰金、損害賠償、契約解除など)を受けるのが一般的です。
なお、中国では不正行為が少なくないイメージがあるかもしれませんが、不正行為に対するペナルティはかなり重いです。
以次充好 言葉の成り立ち
今度は、以次充好を語義的に分解してみましょう。
つまり、「次」を以って「好」に充てる、となります。
「好」に関しては、もはや説明不要でしょう。
キーとなる「次」ですが、中国語「次」には、nextの意味の他に悪いの意味もあります。この場合、中国語「差」に相当します。
例えば、中国語「次品」は、不良品の意味です。
そのため、以次充好は、「悪い」を以って「良い」に充てる、という構成なので、不良品・粗悪品を良品と偽る行為となります
以次充好と構造が同じ類義語に以假充真がありますが、こちらは、偽物を本物と偽る行為を意味します。