わかりやすいデータドリブン
データドリブンとは?
ビジネスの世界では、流行り言葉のようにデータドリブンという言葉が使われています。
データドリブンとは、英語で"Data Driven, Data-Driven"、直訳すると「駆動されたデータ」ですが、もう少し柔軟に「データが活かされている状態にある」といったニュアンスでとらえましょう。
なんてことはありません、データドリブンとは、簡単にいえばデータに基づいて行動しようということです。
しかし、データを根拠にするのは、何も最近に始まったことではありません。では、これまでと何が違うのかというと、データドリブンの場合には徹底的というニュアンスがあります。データ至上主義というとわかりやすいと思います。
データドリブンは、特にマネジメントやマーケティングの分野で多用されるようになりましたが、その背景のひとつとしてビッグデータの存在が挙げられます。
大企業は今や、膨大なデータを分析することで、より客観的な裏付けをもって経営判断を行い、事業を進められるようになってきています。ビッグデータ技術の向上に伴い、データから導かれたものは信頼性が高まっているのです。
これまでマネジメントやマーケティングに存在していた根拠に欠ける投機的な行動や意思決定、さらには直観といった主観を排除し、客観的なデータから導かれたものを徹底して支持するのが、データドリブンの本意でしょう。
さらに、最近ではAIの導入も顕著になり、今後ますますデータ依存、要するにデータドリブンが進むのは間違いないでしょう。
また、データドリブンはPDCAとも相性が良いです。データドリブンという姿勢や意識をもって、あるいは分析や立案にデータドリブンを組み込むことで、PDCAはより効果的にまわると考えられています
とはいえ、日本のビジネスでは、カッコいいカタカナ語が本意から逸脱して流行るようなことは珍しくなく、「データに基づく経営を進めます」というのではインパクトに欠けるので、「データドリブンを推進し、マネジメントの最適化を図ります」とカッコつけて使われることも少なくありません。会社も人も、むやみやたらにデータドリブンという言葉を使って、「意識高い系」のレッテルを貼られないように注意しましょう。
英語での使い方と日本語での使い方
データドリブンは、英語では"data driven"または中間にハイフンをおいて"data-driven"と書きます。ここでは、前者の書き方に統一します。
先ほども少しふれましたが、データドリブンは直訳すると「駆動されたデータ」ですが、実際の用法としては「データが活かされている状態にある」というニュアンスが強く、形容詞として使われます。
主に、後ろに名詞がきて"data driven decision-making"(データを根拠とした意思決定)、"data driven marketing"(データを根拠としたマーケティング)、"data driven approach"(データを根拠とした取り組み)といった具合に使います。特に、英語では"data driven decision-making"を"D3M"と省略表記していることが確認できましたが、日本語ではまだ浸透していないようです(確認できていません)。"D3M"とは、いかにも会社が好んで使いそうな言葉ですね。
また、「データを活用した状態になる」ことを"being data driven"と表現します。
いずれにせよ、英語では通常、data drivenを名詞として単体で使用することはありません。
一方、日本語では形容詞に加えて、名詞としても使われています。「データドリブンを加速させる」「データドリブンを推進する」などなど。こういった名詞化や用語化というのは、日本語あるあるですが、できれば「データドリブン志向を加速させる」「データドリブン化を推進する」と原義に沿って言い換えた方がスマートではないでしょうか。特にデータドリブンのような輸入したての言葉では、慎重に使いたいところです。
まとめ
- データドリブンはデータを徹底的に活用する姿勢や考え方のこと
- ↑を言い換えれば、主観を排除する姿勢や考え方のこと
- データドリブンという言葉は主にマネジメントでこぞって使われている
- データドリブン流行の背景にはビッグデータやAIがある
- 英語では形容詞だが、日本語ではさらに名詞として使われている。