英語を聞き取れるようになるには
学校でどれだけ英語を勉強しても、実践的に英会話をしてみるとネイティブが何を言っているのか聞き取れないことは珍しくありません。これは、学校教育のカリキュラムでふれる英語のリスニングが不十分だからです。
また、実際の英語は、教材のように整った英語ではありませんので、むしろ聞き取れなくて当然です。そのため、英語のリスニングを上達させるには、自主的な練習が必要になります。
リスニングに取り組む時間を確保する
一般的に、英語をひと通り学習してきたものの聞き取れないというのは、単純にリスニングの練習時間が短いことが原因です。そこで、まずはリスニングに取り組む時間を確保し、また隙間時間でも練習をできる環境を整えることが望ましいです。
日常的に忙しい人でも、生活の流れを改めて見つめてみると、意外と時間は捻出できます。
例えば、駅での待ち時間や電車に乗っている間、テレビのCM中、行列に並んでいるとき、トイレでほっと一息ついているときなど。このわずか数分を積み重ねるだけでも、効果はあります。
むしろ、これぐらい短い時間の方がハードルが低くもあります。
隙間時間にすぐに音源を再生して聞くには、ほぼスマホ一択です。英語の音源をあらかじめ端末に保存しておくか、動画やラジオ、配信サービスなどを活用するのが良いでしょう。
リスニング力をあげる精聴と多聴
英語を聞き取れるようになるためには、2つの角度からアプローチするのがおすすめです。すなわち、精聴と多聴です。
精聴は、じっくりと聞くことです。スクリプトを読み、理解したうえで、英文の端々がどのように発音され、どのように抑揚しているか、頭に残るまで聞きます。特にはじめのうちは、精聴を重ねることが大切です。
一方、多聴はとにかくたくさん聞くことにフォーカスします。英語をたくさん聞くことで、所どころ「点」でわかっていたことがつながって「線」になる感覚が生まれたら、大きな成長です。
なお、多聴とはいえ、聞いている英語に意識を向けなければなりません。特に意識を向けない「流し聞き」は、はじめのうちはほとんど意味がありません。特に、テレビでとりあえず流しておく、というのはスキルアップにはほぼ無意味で、自己満足に終わりがちです。1時間垂れ流しておくよりも、1分間集中して聞いたほうが効果的だと思います。
リスニング力がついてきたら、精聴と多聴は並行して行うのがおすすめです。
何を聞いたらよいか
リスニング教材に何を選ぶかは、基本的に決まりはないので、自分の興味のある分野で選ぶのが良いと思います。
特に精聴する場合は、何度もスクリプトを読み込んだうえで反復して聞くことになるので、嫌いな分野より好きな分野の方がモチベーションを維持しやすいでしょう。
よくリスニング教材としてニュースが取り上げられますが、ニュースはオーソドックスな言い回しでロジカル、しかも発音やイントネーションも標準的であるのが一般的なので、確かに良い教材です。
しかし、ニュースは内容自体を理解するのに背景の知識が必要になることが多いので、理解できるテーマを選んだ方が良いです。例えば、アメリカの選挙制度をよく知らないのに、アメリカの選挙関連のニュースを題材にしてもピンとこないと思います。
聞き取れるようになったらシャドーイング
英語を聞き取れるようになってきたら、今度はそれをそのまま口真似すると、英語力を総合的に強化することができます。いわゆるシャドーイングというものです。
シャドーイングは聞く、理解する、口に出すを立て続けに行う実践的な英語強化法です。集中的にシャドーイングするだけでものすごくお腹が空きますが、それだけ脳を使っているのが実感できます。
英語耳になってきたら、ぜひシャドーイングにも取り組んでみてください。