水金地火木土天海の英語版覚え方
冥王星が太陽系惑星ではなくなった!
一昔前まで、太陽系の惑星を太陽から近い順に並べた覚え方として「水金地火木土天冥海」「水金地火木土天海冥」がありました。90年代当時、小学生であった筆者は、まるで呪文のように「水金地火木土天冥海」を連呼していました。
冥王星と海王星の位置関係は常に一定というわけではなく、どちらの方が太陽に近いかは、時期によって異なります。
1979年1月から1999年3月までは、冥王星の方が海王星よりも太陽に近かったので「水金地火木土天冥海」でしたが、今現在は海王星の方が太陽に近いので「水金地火木土天海冥」です。
次に冥王星が海王星より太陽に近くなるのは、おおよそ2226年頃なので、当面は「水金地火木土天海冥」なわけですが、呪文を唱える我々にとっては大きな問題が発生しました。
2006年に、冥王星が惑星ではなくなってしまったのです。
惑星から準惑星に降格した冥王星
2006年8月、世界中の天文学者の集まりである国際天文学連合(International Astronomical Union:通称"IAU")の総会がプラハで開催されました。この総会では、惑星を科学的に定義したことが話題になりました。
これについて、JAXAは、星が太陽系の惑星であるためには、次の条件を満たす必要があると解説しています。
惑星であるための条件
- 太陽の周りを回っていること。
- 十分に重く、重力が強いため丸いこと。
- その軌道周辺で圧倒的に大きく、他の同じような大きさの天体が存在しないもの。
冥王星は、太陽の周りをぐるぐる回っているし(公転周期は約248年!)、十分に重くて丸い形をしているので、(1)(2)は問題ありません。
しかし、科学の進歩と共に、冥王星に似ている天体が続々発見され、冥王星の存在感はどんどん薄れていくことになります。
そして決定打となったのは、冥王星よりも大きな天体「エリス」の発見です。
自分よりも大きな天体がある以上、もはや惑星としての立場がなくなった冥王星は、無事死亡。
(3)を満たさないことから、2006年の総会において、惑星から「準惑星」に降格させられました。
そのため、現在、太陽系の惑星は「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」の8つで構成されています。
つまり、「水金地火木土天海っ!」となったわけですが、呪文を唱えていた世代からすると、なんだかしっくりきませんね。
水金地火木土天海冥の英語版覚え方
日本では、これまで水金地火木土天海冥と覚えていたように、英語にも太陽系の惑星の順番の覚え方がありました。
有名どころは、次のようなものです。
英語版「水金地火木土天海冥」
覚え方:My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas.
直訳:私のとても教養のある母は、ちょうど9枚のピザを私たちにくれた。
は?となるかもしれませんが、これは各惑星の英単語の頭文字を並べて作った文章です。つまり:
水星=Mercury
金星=Venus
地球=Earth
火星=Mars
木星=Jupiter
土星=Saturn
天王星=Uranus
海王星=Neptune
冥王星=Pluto
MVEMJSUNPの順番を覚えやすいように作られた文章が "My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas." なわけです。
冥王星(Pluto)欠落後の覚え方
しかし、冥王星"Pluto"は、天文学者たちによって、もはや惑星と見なされなくなってしまいました。
海外では、My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas. はメインディッシュ(ピザ)を失った!なんて言われる始末です。
そして、今日では冥王星"Pluto"を除いた、新しい覚え方がいろいろ生まれています。
英語版「水金地火木土天海」
- My Very Educated Mother Just Served Us Nachos(ナチョス)
- My Very Educated Mother Just Served Us Nougat(ヌガー)
- My Very Educated Mother Just Served Us Noodles(麺類)
- My Very Educated Mother Just Served Us Nectarines(ネクタリン ※桃の一種)
- My Very Educated Mother Just Served Us Nothing(なにもくれなかった)
新しい覚え方は My Very Educated・・以外にもいろいろなあるので、興味があればググってみてください!
海外ネタは、Yahoo! USA などでググると見つけやすいです。
無念の降格となった冥王星。その私たちに対する衝撃は大きく、"Pluto"に「降格させる」という新たな用法が生まれるほどです。
しかし、人類がどうこう騒ごうが、冥王星は知ったこっちゃありません。
冥王星は、ただただ静かに周っているだけです。地球から何十億キロと離れた宇宙の果てを、ゆっくりと248年かけて太陽を周っているだけです。