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奨学金の繰上返還で得するのは利息だけじゃない

日本学生支援機構の貸与型奨学金は、原則的に返還する必要があります。このとき、金銭的に余裕があれば繰上返還することで通常どおり返還するよりも得するかもしれません。キーワードは「利息」と「機関保証」です。

繰上分の利息は支払わなくてよい

第二種奨学金(有利子型奨学金)を借りた場合、通常どおり割賦返済(毎月返済)すると、利息がかかります。利息の額は、借入額、返済方法(固定/変動)、返済期間などによって決まるのでケースバイケースですが、けっこう高額になります。

なお、参考までに筆者の場合、第二種奨学金で120万円借りましたが、毎月の利息は1000円以上、年間で1万数千円はかかっていました(利息は返済が進むにつれて少額になります)。

しかし、ある程度まとめて前倒しで返済する、つまり繰上返還することで、繰り上げた期間分の利息は支払わないでよいことになります。これは、部分的に繰上返還する場合でも、一括して全て繰上返還する場合でも同じです。早めたら、早めた分だけ利息の負担はなくなります。

なお、通常の利息の他、据置利息がありますが、こちらは繰上返還しても減免されることはありません。しかし、据置利息は通常の利息と比べるとかなり少額です(筆者の場合は毎月80円程度でした)。

また、繰上返還したら、その分返済期間が短縮されます。つまり、部分的に繰り上げて返還しても、その翌月からまた残った分の返還がはじまることになります。もちろん、全額返還している場合は、そこで返還完了となります。

保証金が戻ってくる

奨学金を繰上返還するもうひとつのメリットが、保証金が戻ってくることです。ただし、基本的に機関保証を利用していた場合に限ります(連帯保証人/保証人を設定する「人的保証」を選んでいた場合は対象外)。

奨学金を借りるにあたって、機関保証を利用したら、毎月振り込まれる奨学金から保証料が引かれます。保証人を立てられない代わりに、天引きで保証料を支払っていたことになります。

この保証料は通常、繰上返還することで戻ってきます。これは返戻へんれい保証料というものです。

参考までに、筆者は70万円ほど繰上返還したところ、5万円以上戻ってきました。ただ、支払った保証料は貸与月額、貸与期間、返還期間で異なり、相応に返戻金も人によって異なるので、詳細を確認したい場合は日本学生支援機構または日本国際教育支援協会に問い合わせてみてください。

特に保証金は貸与と同時に支払っているため、後々になっていくら支払ったか忘れがちです。筆者自身も、返戻金が思った以上に大きく、これならもう少し早く返せばよかったと苦笑いでした。

特に、第一種奨学金(無利子型奨学金)の繰上返還でも、機関保証を利用していれば返戻保証料の恩恵があるかもしれませんので、奨学金を借りている人はいずれも要チェックです。

繰上返還に手数料はかからない

繰上返還による利息上のメリットは、一般的な金融機関でも同じです。早く返せば、その分利息が浮きます。それなら頻繁に繰上返済したいと思うかもしれませんが、一般的な金融機関で繰上返済するには手数料がかかることがあります。手数料は数千円~、住宅ローンなどでは数万円かかることが多いです。そうでもしないと、金融機関や保証会社が貸し損になってしまうので、商業上、これは仕方がないことだともいえます。

しかし、日本学生支援機構の奨学金の場合、繰上返還によって手数料はかかりません。そのため、一括して全額返還しなくても、部分的に繰上返還を繰り返すこともできることになります。手数料がないので、賞与ごとに1年分を返還する、ということもできます。

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